人材育成コンサルタント&社労士の浜田純子です。
時々このような質問を受けます。
『接遇マナー研修を行って、効果はあるの?』
研修を受けた個々の社員は、自己を振り返り、
どうあるべきかを新たに学習し、
あすから現場で実践しようという高いモチベーションを持ちます。
効果を出すためには、
このモチベーションをいかに継続できるかがポイントです。
そして、何より重視すべきは
接遇研修の効果は、組織の風土に大きく左右されるということです。
たとえば、学んだ接遇マナーを実践しようと思っても
現場で働く他の社員の皆さん如何では、実践そのものが困難になります。
つまり、現場の上司や先輩の接遇に対する意識が薄く
「そんなものは業務の二の次だ」 という考えかたを持っていると、
実践しようにもやりにくい雰囲気になるのです。
理由は、組織である以上、そこで働く人は、
『郷に入れば郷に従え』 という文化に縛られるからです。
つまり、現場で効果を出すためには
全社員の接遇に対するベクトルが、同じ方向を向いている必要があるのです。
私自身、一部の社員を対象に研修を行った時には
殆どの場合、その効果は、
戻った現場の接遇レベル止まりになってしまうことを痛感しています。
一方、全社的に接遇研修を行った企業の場合は、
会社としてのモチベーションの高さがまるで異なります。
全員の意識が同じ方向に向くのです。
組織の風土を変えて、接遇力を上げていく・・・
そのために最低限必要なことは、何でしょうか?
・ まず、トップが『接遇力強化』に対する強い想いをもって、
引っ張っていくこと
・ そして、一部の人や希望者にのみ研修を行うのではなく
全社員に対して、研修や勉強会など、接遇意識を高める場を
継続的に設けること。
・ 自分の接遇を客観視できる機会を持つこと
接遇研修も『ただやればよい』ものでは決してなく、
戦略的に継続的に行っていくことが重要なのです。