人材育成コンサルタント&社労士の浜田純子です。
厚生労働省が、マタニティー・ハラスメントの防止策を企業に
義務付ける方針を固めたというニュースを目にしました。
25日の労働政策審議会分科会で明らかにされたもので、2017年の実施へ向けて、
男女雇用機会均等法や育児・介護休業法を改正し、
相談窓口の設置や上司の研修などの具体策を指針で示すということです。
いつの間にかハラスメントという言葉があちこちで聞かれるようになり、
特にパワハラと指導の区別が難しいということで、パワハラ研修のご依頼が急激に増えているこの頃。
先日は、広島高裁に差し戻されていた訴訟で、マタハラが認められ、
病院側に対して損害賠償175万円を命じたという判決が下されたばかりです。
マタハラについて、防止対策が強化されるのも頷けるところです。
少子高齢化の中、女性が、出産や育児と仕事を両立しやすい世の中を目指し、
どんどん法制化が進み、女性活躍の場を増やしていこうという動きが活発化しています。
先だっては、女性活躍推進法が成立したばかり。
思えば・・・
数十年前は、男女の定年年齢が異なるばかりではなく、結婚すると退職を余儀なくされる時代でした。
少しずつ女性のワークライフバランスが認められるようになったものの
私が就職した頃は、子供が生まれても働き続けることがやっとでした。
育児休業なんてとんでもない!
退職しなくていいだけ有難いという感覚でした。
あの頃を思うと、今や産前産後休業から育児休業中には、
社会保険料が免除され、出産手当金や育児休業給付金が支給され・・・
本当に仕事を続けやすい女性に非常に優しい時代へと変遷してきました。
最も、本来男女平等ですし、こういう変遷はなるべくしてなった素晴らしい動きです。
しかし、数十年前の状況が当たり前だと思って過ごしてきた私のような世代にとっては、
今の女性は、何と有難く、幸運なのかとさえ感じるのも嘘ではありません。
昔は女性にとって何と生きづらい世の中だったことか・・・
私のような感覚を持っている人たちは、組織にも結構いらっしゃると感じます。
だからこそ、法律で義務化され、企業が制度化を図るばかりでなく、
社員の意識を変えていくことが大変重要になりますね。
制度を変えるのは、その気になれば難しくない・・
しかし、それを運用するためには社員、
特に上に立つ人達が心から納得できる環境を作らなければなりません。
これこそまさに意識改革です!
人に感情がある限り、そこに働きかけていくことが欠かせません。
マネジメントには、最低限の労務管理に関する法律の知識も必要でしょう。
また、具体的に部下にどのように関わっていくのか、コミュニケーションのとり方も必要になるでしょう。
意識改革から行動変革です。
マタハラ防止が実現したら、その他のパワハラだって、並行して減少していくはずです。
すべてが職場の風土を変えていくことだから。
パワハラの防止対策だけではなく、パワハラ、そしてそれに続きがちなメンタルヘルスが
そもそも起こらないような職場風土を作っていく・・・
これこそ今私がコンサルタント、講師として大切に考え、実践していることです。
これからの企業には、人を活かすための教育が必要だと、
マタハラ防止対策の義務化の記事を見て、改めて感じています。