人材育成コンサルタント&社労士の浜田純子です。
飲食業では多店舗展開をしているところが多いですが
不思議なことに、同じオーナーであっても、店舗ごとに「感じの良さ」は異なります。
一方、メニューをはじめとする提供サービスは、ほとんどの場合
その企業の「強み」「ブランド」としてどの店舗も同じになっています。
企業によっては、店内の内装に関しても、同一性を持たせています。
こうなると、同じ人が経営する店舗であっても
顧客から見ると、一番感じの良い店とそうでない店は一目瞭然です。
そしてその判断要因は、「店内の心地よさ」
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少し前にこんなことがありました。
ずっと昔からある 多店舗展開をしているある飲食店に行ったときのことです。
数十年前に比べると、メニューも豪華になっているので、これはすごいと思い、期待をしてのことでした。
そんな折、すぐ近くの席でクレームが発生しました。
詳細はわかりませんが、
2人が注文した「エビ」の大きさが違うということらしいのです。
そのクレームそのものがどうかは別として、
お客さまがそう感じたことは事実です。
男性の店長が、それなりに丁寧に応対しています。
クレーム対応についても指導を受けていることは見て取れました。
しかし、残念なことに、その応対の中には、お客様の言うことに対する否定と、
自分たちは間違っていない、つまり、大きさは同じだったはずだという主張が感じられました。
どう対応すべきかはわかっているけれども、
お客さまの「文句を言いたかった悔しい気持ち」を心から受け入れ、
共感することができなかったと感じます。
こういう場面に遭遇すると、やはり、「自分たちに非があるかないか」が気になるものです。
たとえば「それを食べたら具合が悪くなった」というような一大事のような場合には
最終的なは責任所在の判断等は、調査等をしたうえでの慎重なものになるでしょう。
しかし、エビの大きさ程度の問題であれば、
「日頃から十分に気をつけて材料を選別しているつもりだが、
何かの手違いで、ご迷惑をかけてしまったのかもしれない」という考え方で
受け止め、速やかに誠実にお詫びする方が、双方にとってよほど気持ちがいいでしょう。
こんな小さなことで、
エビを食べたお客さまが、今回は少しいやな思いをしたけれどまた来ようと思ってくれるか、
もう二度と来るもんかと思うか、大きな分かれ道になるのです。
ところで、その店長、そんなクレームを受けた後も、お客さまから見えるところでの
女性スタッフとの会話が多いのです!
一応仕事の話のようですが、その笑顔が、妙に不調和でした。
また、スタッフもお客さまが帰った後のテーブルもなかなか片づけず
いつまでも食べた後の食器があちこちのテーブルに残ったままの状態・・・
これでは、クレームをした人の心を逆なでする可能性もあります。
「真摯」な気持ちは、態度でしか伝わりません。
残念な思いで見ていました。
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飲食店の心地よさは、店長次第です!
感じの良いお店は間違いなく店長のリーダーシップが素晴らしい!
そして心地良さを決める要因とは・・・
店内の清潔感(清掃、片付けなどの状況)
顧客を大切に思う気持ちの度合い
顧客へのかかわり方
店長と他のスタッフとの関係性
コミュニケーションの取り方
これらについて、店長が「気になるかどうか」次第なのです。
それらに対するポリシーを持っているかどうかなのです。
飲食店の場合、スタッフはその多くがアルバイトで、ほんとうに出入りの激しい業界です。
アルバイトのスタッフは、いずれにしても短期間就業の人たちです。
教育を受けて、次へ継承してというふうにはなかなかいきません。
だからこそ、何を大切にしているか、どういう働き方をしているかは、
店長の言動を見て判断するわけです。
店長が確固たるポリシーを持ち、自分が実践し、背中を見せる!
飲食店の場合、「店長」への教育の徹底こそ、
その企業のブランドの定着には必要です。
店のカラーは店長次第で変わります!