人材育成コンサルタント&社労士の浜田純子です。
ある居酒屋でのことです。
引き戸のある個室で美味しいお料理とおしゃべりを楽しんでいました。
とても落ち着く清潔感のある個室です。
ところが、注文に来た時、料理を運んできた時など
扉を閉めるごとに、「バタン!」 「パシッ!」という音がするのです。
かなり元気よく無造作に閉めるので、少々気になっていました。
少し経って、お手洗いに席を立ったとき、
個室を出たところに、たまたまスタッフがいらっしゃいました。
そこで私は、スタッフの方に笑顔を向けながら
いつもよりより丁寧にそっと扉を閉めてみました。
もちろん私がわざとそうしたことなど気づかせないよう配慮して・・・
こんなところで、「講師魂」が顔を出してしまいました。
「お客様はもっと静かに開け閉めをしてほしいと感じている」
ことを伝えたからです。
少し経った頃、注文したお料理が運ばれてきました。
そして、何と、今まで気になっていた扉が驚くほどそっと閉められたのです。
そのあともまたそのあとも同じようにそっと~
気づいてくれたんだと嬉しく思いました。
こんなとき「バタバタしないで!」とか「もっと静かに閉めてください」
などと、直接お願いするのも方法ですが、
さりげない方法で気づかないふりをして気づいてもらえると
お互いにどれだけ気持ちの良いことでしょう。
元海軍大将、山本五十六の有名な言葉があります。
「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
私は単なるお客であるにもかかわらず、
「やってみせた」だけで気づいてくれた~
みせたというより見てくれたと言った方が良いかもしれません。
加えて、気づいて改善してくれたことに対して、
ひと言フィードバックしてあげれば完璧です。
「指導」とは相手が自主的に動いてくれるよう
工夫して行うべきものだという自分のポリシーに
改めて自信を持てた気がします。