人材育成コンサルタント&社労士の浜田純子です。
前回のコラムに引き続き、企業が立ち上げたサービスの評判がよく、
忙しくなり、人を増やしたときにサービスの質の低下を招かないためには、
どんなことに気をつけていけばよいのか、書きます。
ビジョンの共有
最も重要なのは、「ビジョンの共有」です。
たとえば、前回のコラムで例に出した旅館の場合、
そのビジョンが素晴らしく、加えて、一人ひとりのお客さまに伝わっていたからこそ、
口コミにより、その素晴らしさが伝わっていたわけです。
ところが、忙しくて急に人を増やすと、
そもそものビジョンがスタッフに浸透徹底しきれなくなる可能性が高いのです。
教育は、時間も要し大変ですが、
我が社は、どういう理念のもとに、どういうサービスを展開していきたいのか・・・
それをしっかりと共有することなしに、
これまでと同様のサービスをお客さまに感じていただくことはかなり厳しいでしょう。
ここで大切なことは、働き方が異なろうと、自社で働いているすべての人に徹底することです。
社員はもちろん、パートさん、アルバイト、派遣社員・・・
お客さまから見たら、その人がパートかどうかなんて関係ありません。
一人ひとりが、その会社の顔なのです。
ビジョンの共有はスタッフの言動に表れる!
「ビジョンを共有する」口で言うと簡単ですが、
たとえば、すべてのスタッフがビジョンを語れても、まったく意味がありません。
大切なのは、それがどういうことなのか、
そして、それをお客さまに伝える術(実際の言動)を
一人ひとりがわかっていなければ、本当の意味での共有ができたことにはなりません。
もっと言うと、表情や姿勢にさえも顕著に表れます。
ひとつの例として、ディズニーランドで働く人たちについて考えてみましょう。
一人ひとりのサービスの質が粒ぞろいです。
「どの場面でどの人に会っても、全員が同じ雰囲気で感じが良い」という
根拠のない安心感を、私たちは持っている気がいたします。
素晴らしいことです。
旅館やレストラン、美容業その他多くのサービス関連業種で、
「人」如何でどうにでもなる、ホスピタリティやきめの細かいサービスを売りにしている場合には、
まずビジョンを共有することにより、粒をそろえることの大切さは、言うまでもありません。