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医師の当直に時間外手当 大阪高裁判決


人材育成コンサルタント&社労士の浜田純子です。
奈良県立奈良病院の男性産婦人科医2人の、夜間や休日の当直勤務が、
時間外手当の対象になるかが争われた訴訟で、
16日、大阪高裁は、 『対象である』 との判決により
奈良県に対して約1540万円の支払を命じた一審奈良地裁判決を支持しました。
高裁の判決によると、2人は2004年~2005年に210回、213回の当直をこなし、
そのうちの1人は計56時間の連続勤務もあったと言います。
これまで、奈良県は、 『当直は待機時間があり、勤務内容も軽い』 として、時間外手当の対象外と判断し
当直1回につき2万円の手当を支給していました。
高裁では、奈良病院の分娩件数の6割以上が当直時間帯だったことを指摘し、
『通常業務そのもので、待機時間も病院側の指揮命令下にあった』 と判断したものです。

《11月17日 朝日新聞より》

労働基準法では、施行規則により、宿直の勤務で
『断続的な業務』 について所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合には、
労働時間、休憩、休日に関する規定の適用を適用しないとしています。

 

つまり、今回この当直医の勤務が、
労働基準法でいう 『断続的な業務』 であるかどうかが争われたのです。

 

今回の判決では、断続的な業務には該当せず、
当直勤務のすべてが時間外労働であると判断されたわけですが、
医師の当直勤務を時間外労働と認められたのは初めてです。
産婦人科医の不足だけではなく、
今後、医師の労働時間管理についても、大きな課題となりそうです。

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