人材育成コンサルタント&社労士の浜田純子です。
接客において、マナーのテキストに書いてあることをすべて覚えたら
お客様に喜んでいただくことは可能でしょうか?
残念ながら、完璧に覚えて、たとえペーパーテストで100点を取ったとしても、
覚えたことが行動として生かされなければまったく意味のないのが、マナーです。
そう言えば、自動車学校で免許を取る時も同じですね。
学科の授業も必要ですが、それを踏まえての実技ができなくては
実際に運転することは難しいでしょう。
実は、運転と接遇マナーには、もうひとつ共通点があります。
それは、どちらも様々な場面に出くわした時に機転を利かせて
いかに対応できるかが大切なところです。
接客においては、そもそも人と人とのかかわりなので
マニュアル通りに顧客応対が進むことの方が珍しいものです。
つまり、知識が完璧であっても、
それだけでは十分に生かされない場面が多いのです。
よく、敬語や言葉の使いかたがよくわからない
などという受講者の悩みを聞きます。
正しい敬語を知っていることはとても素晴らしいことですが
その敬語を適切に相手の状況に応じて使えてこそ、その知識が役に立ちます。
そのためには、応対をしながら、相手が今どんなことを考えているのか
どんな状況なのかに気づく必要があります。
気づいて、機転を利かせて応対してこそ、相手の心にピタリと届く接遇が可能です。
たとえ100点満点の敬語でなくても、
自分なりの言葉を駆使して相手に心遣いを届け、喜んでいただけることだってあるでしょう。
知識はもちろん必要です。
しかし、それ以上に大切なことは、持っている知識を生かせるかどうかです。
知識の習得=接遇マナーの習得ではないのです。
せっかく習得した知識は、現場でどんどん実践したいものです。
相手に気づき相手に心遣いを届けましょう。
そして、うまく使えなかったマナーについては、その都度調べて
ひとつずつクリアにしていくことで、知識も定着し、臨機応変に使えるようになるはずです。