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【接遇マナー】親しみやすさと馴れ馴れしさ


人材育成コンサルタント&社労士の浜田純子です。

 

一流ホテルの接遇は、大変丁寧で堅苦しいというイメージがあるようです。

一方、気さくさを売りにする業種では、「きちんと感」ではなく
親しみやすい雰囲気をイメージします。

 

素敵なホテルマンの心遣い

 

かつて、あるホテルでチェックアウトをしたときのこと・・・
堅苦しいというイメージのある「一流ホテル」での出来事です。

 

フロントに飾ってあったランの花がとてもすがすがしくて
「このランの花、素敵ですね!」と話したことがあります。
すると、フロントで応対をしてくださっていた男性が、
「冷蔵庫で温度調節しなければならなく、なかなかむずかしいんです」と。

 

その後、そのランの花の育て方について、いろいろと話を聞きました。
他にお客様がいらっしゃらない時間帯だったため、
こちらの質問に対して、あれやこれやといろいろな豆知識をいただきました。

 

こんな有名なホテルでも、小さなランの花ひとつに、そんなに気を配っているのか・・・
そして堅苦しく思えたフロントで、こんなに素敵な会話ができるのか・・・
温かくホッとさせるものを感じました。

 

相手の気持ちや立場を考えて対応するのが接遇ですから
お客様が高度ななホスピタリティを求めていれば、
それを満足させるための応対になりますし、
気さくに話をしたいような場面では、またそれを満足させるべく応対になるわけです。

 

親しみやすさと馴れ馴れしさは全く別もの

ここで取り違えてはいけないのが「親しみやすさ」と「馴れ馴れしさ」です。
気さくな感じ、親しみやすい感じを伝えようとすると、度を越して馴れ馴れしい感じになってしまいがちです。

 

相手はどうでしょう?
もちろん人にもよりますが、一般的には親しみやすさは歓迎されますが、
馴れ馴れしさはうっとうしく不快に感じるものです。

 

では、親しみを込めて接したのに馴れ馴れしくとられてしまう原因は何でしょう?
多くの場合「言葉づかい」です。

 

敬語はそれだけで相手と自分との立ち位置を明確にします。
つまり、敬語を使うだけで、相手は自分を立ててくれていると感じるわけです。
敬語にこだわり続けると、堅苦しくなるようですが、固い原因は言葉そのものというより
その人の気持ちの持ち方が固くなっているのです。

 

言葉遣いは崩さず、抑揚や表情、身振り手振りや動作で
親しみやすさは十分伝わります。

 

たとえば、ご高齢の患者様に対して、次の言い方はどうでしょう?

A:「○○しているの?」
B:「○○していらっしゃるのですか?」
C:「○○しているのですか?」

 

どんなに親しくなった常連さんでも大切なお客様に違いはありません。
どんなにお年を召されていても、体が動きづらそうでも
長い年輪を刻んできた大先輩なのです。
Bの敬語、最低でもCのですます調くらいは使いたいですね。
ただし明るい声、優しい表情で!

 

敬意を言葉遣いで表現し、
その上で親しみやすさを表情や動作でしっかりと伝えたいものです。

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