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顧客の立場に立つということ


人材育成コンサルタント&社労士の浜田純子です。

 

お気に入りの飲食店に行きました。
訪れたのは、ランチタイムの閉店間際です。
ランチタイム終了35分前、ラストオーダー5分前の駆け込みで間に合い、「ラッキー」でした。

 

もうディナータイムに向けて、テーブルも片付けられているとあって
一番端の小さなテーブルに案内されました。
「まあ仕方ないな」と思い、なるべく早くできそうなものを注文!
ほどなくお料理が出てきましたが、味はいつも通りで美味しい!

 

ところが・・・
ラストオーダーの時間が過ぎると、せっせと片付けが始まります。
床の掃除も始まります。
テーブルの横のドアも全開に押し開けられ、新たな椅子が運ばれてきます。

 

あと30分足らずで私をはじめ、数人残っている最後の客人もこの場を去るのに~
埃が気になるなぁ、寒いなぁ

そんなことを感じながら、さすがに良い気持ちはしませんでした。

 

食べている人の前で、ほうきと塵取りで床を掃除すると、食べている人はどんな気持ちになるか。
食べている人のすぐ横のドアを全開にすると、真冬の今はどれだけ寒いことか。

 

スタッフ全員で、確かに一生懸命「仕事」をしているのです。
しかし、まだ営業中であるにもかかわらず、
自分たちの業務を滞りなく速やかに終えることだけを考えて仕事をしていた最後の30分間。
たったこれだけで、この時間帯に訪れた客人の印象がどう変わるかなど案ずる余地もない様子です。

誠に残念な光景だと思いました。

 

しかし、私たちが店を出るときには、
いつもと変わらず「ありがとうございました」と声をかけてくれるスタッフの皆さん。
全く悪気はないのです。

もはや日々のルーティン作業として、接客を含むすべての仕事が回っており
目の前の顧客の立場に立ったり、その気持ちを考えてみることを忘れているのでしょう。
いいえ、自分たちは顧客のために一生懸命やっていると思っているのでしょう。

 

多くの飲食店は、多店舗展開をしていて、
オーナー自身は現場の状況などよくわからない場合も多いようです。

しかし、たまには従業員の「意識」を目覚めさせる努力をしなければ、
社訓やビジョンとは遠く離れたところで営業をしていることも少なくありません。

 

気づかぬところで、こういったきしみを見せる接客業。
考えているつもりでもずれてきている接客の本質。

 

「顧客は気づいているのに、自分たちだけが気付かない」状況になる前に、
定期的に自分たちを見直すきっかけとなる新しい風を吹き込むことが重要ですね。

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